磁石って、なんでくっついたりはなれたりするの?
磁石(じしゃく)って、なんだか不思議な道具ですよね。
たとえば、2つの磁石を近づけたとき——
「ピタッ!」とくっつくこともあれば、「ギュッ!」と押し返されてくっつかないこともあります。
えっ!?どうして?
どっちも磁石なのに、くっつくときと反発(はんぱつ)するときがあるのって、ちょっとヘンじゃないですか?

えー!なんで反対の極はくっつくのに、同じ極だとはなれちゃうの?

いい質問ですね。それは“磁力(じりょく)”という見えない力が関係しているんですよ。
このしくみを知ると、ただの「おもちゃ」だった磁石が、すごくおもしろい科学のヒミツ道具に見えてきます!
この記事では、
- N極とS極ってなに?
- なぜくっつくの?なぜ反発するの?
- 実は地球にも“磁石の性質”がある!?
などなど、磁石のふしぎをわかりやすく解き明かしていきます!
🧲 N極とS極が引き合うのは、“磁力線”が関係しているから!
磁石のN極(北きょく)とS極(南きょく)がくっつくのは、「おたがいが反対の性質を持っているから」なんです。
でも、ただ“性格がちがうから引かれあう”っていうだけじゃありません。
実は、磁石のまわりにある「磁力線(じりょくせん)」という見えない線の動きが関係しているんです。
🔍「磁力線」ってなに?
磁力線とは、磁石がまわりに出している力の向きと流れを表したものです。
- N極から出て、S極に向かって流れる
- その線の流れにそって、磁力(じりょく)がはたらく
📌 だから、N極とS極は引き合う!
N極とS極を近づけると、磁力線がスムーズにつながります。
ちょうどパズルのピースがぴったりはまるみたいに、磁力線どうしが自然につながろうとして引き合うんです。
✋ 逆に、同じ極どうしだと?
N極とN極(またはS極とS極)を近づけると、
おたがいの磁力線が「出る方向」どうしでぶつかりあい、押し合ってしまうため、反発(はんぱつ)してしまいます。

あ〜!同じ方向に水を流したホースをぶつけたら、水がドバッとはね返る感じだ!

そのイメージ、近いですよ。磁力線も、自然とぶつからないように広がろうとするんです。
✅ まとめ:くっつく・はなれるのは“磁力線の向き”がポイント
- N極→S極の流れがスムーズにつながる → 引き合う
- 同じ方向から出る磁力線 → ぶつかって反発する
磁石の“極”のちがいは、目には見えない磁力の向きがちがうということ。
この磁力のバランスが、くっついたり、はなれたりする原因なんですね!
🌀 磁石のまわりにある磁界ってなに?
磁石を机の上にポンと置いたとき、見た目には何も起きていないように見えますよね。
でも実は、磁石のまわりには「磁界(じかい)」とよばれる力の空間がひろがっているんです。
🔍「磁界」は、磁力がはたらいている“エリア”
磁界とは、「磁石の力が届く範囲」のことです。
この磁界の中にあるもの(たとえば別の磁石や鉄など)は、磁石の力を受けるようになります。
たとえば――
- N極に近いところは、N極の磁力が強くはたらいている
- S極に近いところは、S極の磁力が強くはたらいている
この「どこにどんな向きの磁力があるか」を、目に見えるようにしたのが、前の章で紹介した「磁力線(じりょくせん)」なんです。
💡 見えないけど、たしかに存在する

磁界って、見えないし、触れないし、本当にあるの?なんか信じられないなぁ…

たしかに目には見えませんが、砂鉄(さてつ)を使うと、磁界のようすが形としてあらわれるんですよ。
理科の授業や実験で、紙の上に砂鉄をまいて磁石を下から近づけると、曲線が広がるように砂鉄が並ぶのを見たことがありませんか?
あれこそ、磁界の形=磁力線の流れを目に見えるかたちで表したものなんです!
🧭 磁界があるから、方位磁針(ほういじしん)も動く!
磁界の影響を感じる道具の代表が、「方位磁針(ほういじしん)」です。
これは小さな磁石が針になっていて、まわりの磁界に反応してくるくる回るようにできています。
- 地球にも巨大な磁界(=地磁気)がある
- だから磁針が北を指す!
磁界は、自然界にひろがる“見えないけれど確かな力”なんですね。
🧲 じつは磁石の中で電子が動いている!
磁石が“くっついたり、はなれたり”する力は、「磁力(じりょく)」と呼ばれます。
でも、その磁力はどこから生まれているのでしょうか?
その正体は……電子(でんし)という、とても小さな粒の動きです。
🔍 電子とは?

電子は、原子(げんし)のまわりを回っている、小さな小さな粒子です。
すべてのものは原子からできていて、その中には電子がふくまれています。
この電子には、すごく不思議な性質があります。
🌀 電子は「スピン」している!
電子は、自分自身がクルクル回っている(スピン)ような性質を持っています。
このスピンの向きが、磁力と深く関係しているんです。
- ある方向にスピンすると、「N極」としてふるまう
- 逆向きにスピンすると、「S極」としてふるまう
🧲 磁石は“電子のスピンがそろっている”物質
ふつうの金属では、電子のスピンの向きはバラバラ。だから磁力は生まれません。
でも、磁石になる金属(鉄・ニッケル・コバルトなど)では——
- たくさんの電子が、同じ方向にスピンしている
- そのスピンの向きがそろうことで、全体として強い磁力が生まれる
つまり、磁石って、電子たちのチームワークでできているんですね!

へぇ~!磁石って、中で粒がクルクル回ってるからくっつくんだ!?なんかかっこいい!

そうなんです。磁石の力は、すごく小さな世界のしくみから生まれているんですよ。
次は、地球そのものが“巨大な磁石”になっているというおどろきの事実をご紹介します!
🌍 地球にもN極とS極がある!?
磁石って、小さくて手のひらサイズのイメージがありますよね。
でも実は、地球そのものが巨大な磁石だって知っていましたか?
🧭 方位磁針が北を指すのはなぜ?
「方位磁針(ほういじしん)」という道具を使うと、どこにいても針が“北”を指します。
これは、地球の内部に地磁気(ちじき)と呼ばれる磁力のはたらきがあるからです。
- 地球の中心には鉄をふくむ“液体の核(かく)”があり、それが動いている
- この動きが「電流」として働き、地球全体が磁石のようになる
- その結果、北と南に「地球のN極・S極」ができる!
💡 地球の“北極”は、実は磁石でいうとS極!?
ちょっとややこしいのですが…
- 磁石には、異なる極(N極とS極)が引き合い、同じ極(N極同士、S極同士)が反発する性質があります。
- この性質により、方位磁石のN極の針は、地球の北極付近にある地磁気のS極に引き寄せられ、北を指します。

えっ!?北がN極じゃないの!?じゃあ地図とかウソなの?

いえいえ、地図は正しいですよ。これは磁石としての“極”と、地理としての“北”の違いなんです。
🌐 地球の磁力はちょっとズレてる?
おもしろいことに、地球の磁極(じきょく)は、地理の北極・南極とピッタリ重なっているわけではありません。
- 地理の「北極点」と、地磁気の「S極」は、数百kmズレている
- さらに、地磁気の極はすこしずつ動いている!
これは、地球内部の液体の核の動きが変化しているため。
「北の針」も、長い年月で少しずつ方向がズレているんです。

地球の内部は、見えないけれどダイナミック!
地球そのものが「生きている磁石」だと考えると、ワクワクしてきませんか?
次は、これまでの内容をギュッとまとめていきます✨
🧲 まとめ:N極とS極のふしぎ、見えない力を感じよう!
磁石って、ただの金属のかたまりのように見えて、実はとっても奥が深いんです!
N極とS極がくっついたり、反発したりするのは――
磁力線という“見えない線”の流れや、電子のスピン、そして地球のダイナミックな内部構造まで関係しているから。
✔ この記事で学んだこと
- N極とS極は引き合い、同じ極どうしは反発するのは、磁力線の向きが関係しているから
- 磁界(じかい)は、磁石の力が届く見えない空間
- 磁力の正体は、電子のスピンがそろっていること
- 地球そのものが巨大な磁石で、磁力の方向が“北”を決めている!

見えない力で動く世界って、なんかカッコいい…!理科って、思ってたよりすごいかも!

そうですね。身のまわりの不思議を“科学の目”で見てみると、世界がもっとおもしろく見えてきますよ。