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ワニは両生類と爬虫類のどっち?鳥との意外なつながりも解説

いきもののふしぎ
アオル
アオル

水の中にひそんで動かないワニって、カエルみたいだから両生類なの?

フクロウ博士
フクロウ博士

ワニはカエルとはまったくちがう生きものなんです。

ワニは爬虫類(はちゅうるい)で、しかも鳥や恐竜に近い存在なのです。

この記事では、「両生類と爬虫類のちがい」や、「ワニがどう進化してきたのか」などをわかりやすく紹介します。

読み終わるころには、ワニの見え方がちょっと変わっているかもしれません。

ワニは爬虫類!両生類と爬虫類って、どう違うの?

結論から言うと、ワニは「爬虫類(はちゅうるい)」です。

フクロウ博士
フクロウ博士

水の中でくらしているワニを見て、「カエルみたいだし、両生類かな?」と思う人もいるかもしれません。

でも、ワニは陸で卵を産み、肺で呼吸し、うろこのある皮ふを持っています。

これらの特徴は、カエルなどの両生類とは大きくちがいます。

両生類ってどんな生きもの?

両生類(りょうせいるい)には、カエル、イモリ、サンショウウオなどがふくまれます。

カエル(両生類)

イモリ(両生類)

サンショウウオ(両生類)

水中に卵を産み、子ども(オタマジャクシなど)はエラで呼吸します。

成長すると肺や皮ふで呼吸できるようになりますが、しめった皮ふが必要です。

フクロウ博士
フクロウ博士

両生類にうろこはなく、乾きに弱い生きものです。

爬虫類ってどんな生きもの?

爬虫類(はちゅうるい)には、カメ・トカゲ・ヘビ・ワニなどがいます。

カメ(爬虫類)

トカゲ(爬虫類)

ヘビ(爬虫類)

卵にはかたい殻(から)があり、陸で産卵します。呼吸は肺だけで行い、皮ふはうろこにおおわれていて、水をはじくつくりになっています。

フクロウ博士
フクロウ博士

爬虫類は、乾いた場所でも生きられるよう進化しています。

まとめ:ワニの分類は?

卵の産み方、呼吸のしくみ、皮ふの性質――どれを見ても、ワニは両生類ではなく、爬虫類のなかまです。

フクロウ博士
フクロウ博士

ワニは水の中で生活することが多くても、体のつくりはまったくちがいます。

そしてワニは、ふつうの爬虫類とはちょっとちがう「特別な体のしくみ」も持っているのです。

次はそのひみつを、見ていきましょう。

ワニの“特別な”特徴って?

ワニは爬虫類のなかまですが、じつはほかの爬虫類とはちがう、特別な体のしくみを持っています。

フクロウ博士
フクロウ博士

水の中でも長く息を止められるのは、ある“秘密”があるからなのです。

心臓が4つの部屋に分かれている

多くの爬虫類の心臓は、「3つの部屋(心房と心室)」に分かれています。

でもワニの心臓は、人間や鳥と同じ4つの部屋に分かれていて、血液をきれいに分けて流すことができます

これによって、水中でも体に効率よく酸素を送ることができ、長時間の潜水が可能になっているのです。

水中でのくらしにぴったりの体

ワニの目・耳・鼻は頭の上に並んでついているため、体のほとんどを水中にしずめたままでも、まわりのようすをうかがえます。

音やにおいを感じる力も強く、じっと待ちぶせするのが得意です。

鳥との意外な共通点

ワニと鳥は、見た目はぜんぜんちがいますが、心臓のつくりや骨の特徴、子育てをする行動などに共通点があります。

じつはワニと鳥は、「恐竜のなかま」から進化した親せき同士

フクロウ博士
フクロウ博士

ワニは、恐竜時代の姿を今に残す、とても貴重な生きものなのです。

では、そんなワニと鳥のつながりは、どうやってわかったのでしょうか?

次は、進化の流れを見ていきましょう。

じつは鳥の親せき!?進化のながれ

ワニと鳥。見た目はまったくちがいますが、じつはどちらも「恐竜のなかま」から進化してきた生きものです。

意外にも、この2つの動物は生物の進化の中で深くつながっているのです。

ワニと鳥は「主竜類(しゅりゅうるい)」

ワニと鳥は、「主竜類(しゅりゅうるい)」という大きなグループにふくまれます。

これは、恐竜や翼竜(よくりゅう)などをふくむ、昔のは虫類のなかまです。

このグループの中から、一部は空を飛ぶように進化して鳥に、そしてもう一部は水辺に生きのこり、ワニの祖先になっていきました。

骨とDNAが進化の手がかり

昔の動物たちの骨の形や、今生きている生きもののDNAを調べることで、どう進化してきたのかがわかってきました。

たとえば、ワニと鳥は頭の骨のつくりや心臓の形がよく似ていることが知られています。

これらの共通点が、「親せき」だという証拠になっているのです。

生きている恐竜の手がかり

ワニは恐竜時代からあまり姿を変えずに生きのこってきた数少ない動物のひとつです。

だから、ワニの体を調べることで、恐竜やそのなかまがどんな体をしていたのか、ヒントを得ることができます。

フクロウ博士
フクロウ博士

ワニは、今を生きる「進化の博物館」のような存在なのです。

それでは最後に、この記事のまとめをしておきましょう。

まとめ

アオル
アオル

ワニは見た目こそカエルに似ていますが、れっきとした爬虫類(はちゅうるい)なんだね!

フクロウ博士
フクロウ博士

水中でくらしていても、卵の産み方、呼吸のしかた、皮ふのつくりなど、すべてが両生類とはちがいます。

さらにワニは、ほかの爬虫類にはない特別な心臓のしくみを持ち、水中でも効率よく体を動かせる能力をもっています。

そして驚くべきことに、ワニと鳥は恐竜のなかまから進化した親せきなのです。

アオル
アオル

水辺でワニを見かけたら、「恐竜のなごりが生きている」と思って観察してみると、おもしろいね。

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